ZB26スリングのみそぎ落とし
前に紹介したZB26の実物スリングですが、部屋に置いてるとめっちゃくちゃい・・・。
これは早急になんとかしないと・・・と思っていたのですが、この梅雨が・・・。
あれ?案外すぐ晴れが出てきたわねと、このチャンス逃すなと戦場もとい洗浄を敢行しました。
東欧での戦いをねぎらってやろうという意味でもね。
さて革製品の洗浄なのですが、水につけてはご法度と思いの方も多いかと思われます。
それは半分あってて半分間違いとの受け売りです。
実は洗浄のために水自体を使うことは何ら問題ないのです。そもそも革をなめす工程でも水は使うのですし、もっとそもそもで言うと生物の皮には大量の水分が含まれているんですから。
では何が駄目なのというと、湿ったままの状態で放置しておくということです。
革は雑菌が住みやすいブツなので中に水分があるとそこで繁殖、革に入ったオイルや革自体を餌として繁殖するってことです。
つまり洗った後はよーく乾かして、その上で雑菌対策してオイル入れれば水洗いも問題ないのです。
ネット知識の受け売り終わり。
じゃあ入浴タイムしましょ。
まずは金具をできるだけ外します。
ご紹介した通り、長さ調整部の金具はすぐ取れるように工夫がしてありましたので、非常に楽に外せます。
ただし前の金具は縫い付けてあるので、こいつはそのまま一緒に洗っちゃいます。
洗浄にはこれまたネットの受け売りですが、ぬるま湯とボディソープを使いました。
当たり前ですが革は生物の皮なので、中性、アルカリ洗剤だのは洗浄力が強烈過ぎて痛めるようです。これは人間でも同じ。
専用の革洗剤以外では人間やペット用途のボディソープがいいんだとか、それも弱酸性がいいとかで、ちょうど我が家の風呂にあったのでご拝借。
湯加減は若干熱めの38度に適当に2〜3回プッシュしての洗浄液を作成。
何も考えずにドボンして、30分ぐらい入浴。それからスポンジでゴシゴシしていると・・・
げふぅうう!!汚くて臭いのがドバドバ出てきちゃうぅ!!
※しばらく彼らのご入浴画像でも見ながらお待ちください。
おそらく産まれた頃の大戦前からの練り込まれた汚れ。一度の手洗い程度じゃ落ちない落ちない。
洗浄液も数回入れ替えて、スポンジに色移りしないまでゴシゴシ洗い、このぐらいでいいかなと思ったら、きれいな水ですすぎます。
ぬるま湯に少し浸しておいてから、ひたすら洗面所でもみもみして汚水を追い出し、何度も水を取り替え。
汚水が出てこなくなって完了です。ここまでの所要時間3時間ぐらい。手間ですね。
続いて陰干し。ベランダにぶら下げて、晴れの日をめいっぱい利用して乾かします。直射日光は厳禁ですので影を作って。
普通は2日ぐらい必要なのですが、この日は夏気分の快晴だったために前日の夜から1日半ぐらいで乾きました。
陰干し終了直後のスリング表面。カサカサしていてそれ自身の柔らかさも減ってしまい、固くなってます。
後、弱くはなってもまだ臭いは残っています。これは仕方ないけどね。
やっぱり色についてはブラウンベルトだったのを、黒のクリームで染めているってヤツでした。経年ですっかり中に染み込んでいるため、完全に落とすのはもう無理でしょう。
抜けた色の補修をどうするか考えましたが、この古い感じは好みであるし、単純に黒すぎるのも格好悪いのでそのままで行うことにします。
ではオイル仕上げ。
まずは乳化状のデリケートクリームを布で全面に塗り込み、少し放置して余分なクリームをふき取り。
乾いたらミンクオイルをスポンジでべったりと塗り込んでいきます。
塗りを数回繰り返して染み込みが鈍くなったかなと感じたら布でふき取って終了。
後はひたすら乾拭き。ツバ付けるとかして磨くとよく光るとか。ペッペッ。
最後に忘れてはいけないのが、金具の錆落としとオイル入れ。
リブルーする気はないので赤錆は歯ブラシで落ちる程度にとどめ、シリコンオイルで全体を磨いて汚れ落とし。
元から動きはスムーズだったので、多量に注油することも必要ないでしょう。
仕上がった後のスリング。なかなか黒光りしていい感じ。柔軟性もオイル入れによって完全復活。引っ張るとぱっしんぱっしんいい音がしますよ。サディスティックになっちゃう?
臭いも強烈ってほどではなくだいぶ落ち着き、デリケートクリームのおかげでさらに緩和されています。
後は暗黒倉庫に1週間ほど置いておいて、カビが生えないかを観察。
万が一生えてしまったらリムーバーでオイルを落とし、消毒用アルコールで全体を吹いてカビを全部掃除した後で、再度陰干ししてオイル入れという面倒なことになります。
東欧の鉛と火薬飛び交った戦場を引退した後は、遠い日本のエコプラスチックが飛び交う遊びの戦場に付き合ってもらいましょう。