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ここは私の管理社会

RS TYPE97〜余裕なきメカボックス〜

 

では最後のインプレ部分となります。カスタム派には興味がありそうなRS、T1メカボックスの分解です。

 

小スペース化、単純構造化に重きを置いているため、分解と組みつけのコツを覚えるのに時間がかかりましたが、慣れればマルイメカボやその劣化メカボックスやらより簡単でした。

 

それでは参ります。メカボックス外観公開。

 

 

 

ぱっと見た感じではマルイタイプ1ともタイプ6とも、もしくは中華ミニミとも思えるような長方形配置のメカボックスです。

まあ先導者からの影響は何であれともありますので、この時点ではコピーとかどうとかは安易に結論付けられません。

モーターは一般的な軸部の短いヤツと同じようであり、カスタムパーツが使えそう。

 

 

反対側です。真ん中を横切るケーブルは柔軟性がありません。

ケーブルはスペースが無いためか、ネジ止めやコネクタ指しではなく、直にモーターとスイッチに半田付けしてあります。

本体を大きく横切っているセレクターがなかなか力強そうです。

 

 

そして目立つように刻まれたRS T1の刻印。おおっと、これは誇ってもいいんですかい?

 

 

 

では分解していきます。まずは逆転防止ラッチを跳ね上げてバネの解除なのですが、この製品は解除がしやすい構造となっていて、

 

 

この凹みにドライバーか何かを使って押し込むと解除。

FA-MASレベルでやりやすいわけではありませんが、組んだ状態でもストック部を外すだけで解除が出来るとあって、ゲームの後の整備も楽。

 

テンション解除後、バネを押さえているカバーを外し、バネを抜き取ります。

マニュアルでは下側のネジを外し、斜めに引っ張ると書いてありますが、実際にはもっとタイトでそれだけじゃまず外れません。

 

 

そこで、さらにその上のネジも外し、左右にゆする形で徐々に斜め下に蓋をこじり開けます。

 

※追記:このカバーゆすって外すと書きましたが、ドライバーをスプリングガイドにぐっと差し込んで、その後下の隙間にマイナスドライバーか何かでてこの原理でこじ開け、スプリングをガイドごと引き出するほうが楽です。

 

フィールドでも出来るとありますが、ネジ位置的にメカボを完全に引き出さないと無理なので、パーツ紛失的な意味で安易に行うのはやめておいたほうが無難です。

こういったギミックはMINIMIのほうがやりやすかったですね。

 

 

次にモーターガイドを固定している2本のネジを外し、そのままやや斜め上に引っ張って抜きます。

精度が高いのかよくあるガタは無く、抜き差しも楽チン。

 

 

メカボックスを固定している4箇所のネジを外します。ネジロックも無くスムーズ。

ちなみにネジの種類ですが+ミリネジで舐める様子も無く、精度もかなり高い感じです。

後、主要部のネジにちゃんとした座金がついているなんてのは、今まで見たことが無いです。

(他のにもあることはありましたが、タッピングの補助としてとか、ぶっつぶれてふにゃふにゃとかで全然意味を成していませんでした。)

 

 

 

ではオープン!

開け難いときは先にシリンダーのガイド位置から、タペットプレートをちょっと押し込んで外します。

 

 

うっ、グリスが固化している。試射時にノイズがでかく感じたのはコレのせい?

そういえば箱やマニュアルの経年劣化が微妙に感じられたりしたんて、結構長期在庫だったのかも。やはり不人気か・・・。

いやいやそれはどうでもいい。

 

試射程度なので当然中は綺麗なものです。??あれ?いやこの当然は国内品でのことであり、海外品では稀なんだよな?なんか調子が狂うよ・・・。

そうなんです。コピー品やらによくあるバリやパーツ削れやゴミのめり込みやらも無し。

グリスの劣化はありましたが、パーツそのものも精度がよさそうです。

ただ、マルイパーツとの互換性というと期待できないでしょうね。保守に関しては難アリかも。

当然ですがFETなんてぶち込む余裕は無いです。もとあるヒューズ位置にか、ストック後部の隙間に放り込むしかなさそうです。

 

とりあえずは洗ってみました。で、ここで気付いたんですが変な臭いがまったくしませんでした。

唯一感じたのはシリンダーヘッドの掃除中、シリンダーとの接触位置でのかすかな腐敗臭だけ。

不気味な緑グリスも廃油の塊のようなグリスでも無く、マルイのような白みがかった高粘度とシリンダー部のホワイトに各作動部へのシリコン。

3種グリスを使い分けているということもすごいなぁ!

 

各パーツを見ていきます。

 

 

スプリングガイドと蓋。さっきの固いやつです。

位置あわせが簡単で非常に固定が安定していますので、組んだまま簡単に元に戻せます。

万が一ずれてもケツに穴が開いていますので、そこからドライバーやらでずらして調整できます。

ガイド軸の互換性はありますが、シムは専用品なのが残念。入れ替えれば済む話だけどね。

 

 

カットオフレバーセレクターパーツ。

削り跡、鋳造跡はありますが、でっかい傷も無く非常に綺麗です。バネも固くも無くやわらかくも無く。

中華製品でのセレクター関係はがたついたり、回転が引っかかることがあったのですが、97式はかみ合わせの精度が高く、慣らしの終わっていない現在でも適当な注油でスムーズに回ってくれます。

使い勝手?それは別の話であって・・・。

 

 

メカボックスのフレームちぇーっく。

おっ、軽量化+強度確保の肉抜きが見えます。こんなめんどい肉抜き、普通やりませんよ。

例のごとく削り跡等はありますが、精度ガタガタとか材質がなんかやわらかいような???とかそんな不安点はありません。

そういえば表面の色なのですが、なんか塗装っぽくないですし、こちらもアルマイト処理なのでしょうか?

 

 

軸受けはベアリングの7mm。

メカボックスとの嵌合具合ですが、真ん中のがちょっと他より気持ちきついだけで、水平方向のズレも無くタイトに嵌ってくれます。

 

 

続いてスイッチボックス。この中にカットオフレバーが入って噛み合い、セミフルを切り分けます。

上の端子部分にコードが繋がります。

実は解体の際にはコードは外さなくても分解できるのですが、説明の為外しています。

 

このボックスですが、徹底的に分解できる構造になっています。

 

 

まず、スイッチボックスを止めている2本のネジを外し(ネジロック付ですが、ビス頭に強引にねじ込んでしまえば回ります。)、メカボックスと繋がっている引きバネを外します。

その後、このボックス内を通る押しバネを外し、モナカを割ると・・・

 

 

見事に各パーツとお目見え。さらに前のカバーをはずせば・・・

 

 

端子まで分解!コードが繋がっていても分解できると言ったのはこのためであり、ここまで割ればメカボックスを貫通している小さい穴にも通ります。

 

 

では給排気関係。

 

 

ピストンです。後ろを段差付にしたりレールカットで軽量化をしている様子。

ピストンヘッドは普通の穴あき。どちらも形状からしてマルイと互換性がありそうな。

Oリングのバリも無く、物も綺麗ですので、今わざわざ替えることも無いでしょう。

 

 

シリンダーヘッド。金属では無くて樹脂製です。

シリンダーはふつーの真鍮製であり、ヘッドとの嵌め合わせはいい感じでキツキツ。

口部のセンターは下側・・・。互換性無し!

 

 

タペットプレート。見て分かります。思いっきり専用品です。

左右にレールが分かれていて、その間にモーターが入ります。回転が過ぎると熱で溶けないかしら??

 

 

ノズル。専用品ということではなさそうで、こちらも何か互換がありそうですね。

ノズル長は21.1mm。

 

 

逆転防止ラッチです。グルカナイフではありません。

単に解除部分が付いているだけと思いきや・・・

 

 

その形状によってホールドはいい感じ。バネのテンションを完全に抑えている様子です。

 

お次はギア。

 

 

材質はスチールですね。鉄ですね。暴君様確認済みです。

 

 

表裏。セクター、スパー、ベベルと基本に忠実な3個セット。

精度もさることながらよく見ると肉抜きが施してあり、軽量化に一役買っているみたいで。

 

 

手元にあったVer2ギアとの比較。MASADAの余りゆーな。

ギアの直径が全然違います。互換性?なにそれー???

 

 

シムチェック。粗悪シムでもなく、全部のギアに設定がしてあるのはうれしいところ。

安心してそのまま使えます。

 

 

グリスを塗りなおして組みなおしです。レール部分のみピカールで擦り、コードも半田付けして元に戻します。

で、ちょっとしたお遊びでやってみたことが、

 

 

この保持力!よくある空中分解上等のメカボではなく、このかっちり感はストレスがたまりません。

反面余裕が無いともいえます。特にタペットプレートの引きバネとギアとの干渉や、モーターの熱によるタペットプレートの変形、ギア同士の遊びの無さは、今までのメカボックスに慣れていると大丈夫だろうかと心配になります。

 

 

組み終わっての比較。赤部分を横に180度ひっくり返せばミニミと同じ?

コンパクト電動の構造に逃げず、用量も確保した上でスペースをいかに絞るかとなると、やはりこの配置となるのでしょうね。

閉じるときはタペットプレートの噛み込みと、カットオフレバーの位置にさえ注意すればすぱーんと決まってくれます。

 

では戻してからの試射は・・・。

音がだいぶ静かに。グリスを新しくしてすり合わせを行っただけですが、部屋撃ちレベルでは不安は無いでしょう。

 

 

メカボックスの総括ですが、単なる特許回避での独自規格ではなく、省スペースを考慮した上でのやむをえない選択であって、その設計思想そのものはハイレベルだと言えるでしょう。

マルイと比べるといささか設計は後塵だともいえますが、その品質も、性能も、よくある中華製品レベルを明らかに超えています。(つーか製品出たのって2年前なんだけどさぁ。)

また安易なコピーではなく、正攻法でのちゃんとした形の勝負はメーカーとしても正しいあり方であり、この形で対抗というか競争しようとするRSには好感が持てました。

 

パーツの問題はもちろんありますが、RSでは保守パーツ販売もやっていますし、直販も出来るとのことで、個人的には心配していません。

http://www.realsword.com.hk/jp/catalog_box.htm

↑いや・・・でも、ここまで売らなくていいでしょ???

 

 

 

一連の箱出しインプレはこれにて終了。

分解遊びと重さ堪能と臭いが最高で(オイルと鉄が入り混じった臭いが・・・)なかなかゲームウェポンとしての追求が進んでいないのですが、

おいおいと互換性の確認や、わずかに残る不満点の詰めもやっていく予定です。

 

97式というかRSのラインナップは非常にマニアックなのと、その値段ゆえに手放しでお勧めはしませんが、愛を持って迎えればそれ以上に答えてくれるいい娘たちです!

 

 

だから内蔵バッテリー早く作れよと。